上級国民/下級公民 ~既得権益が増幅する格差の事実 教育による格差~

前回の続きです

【ご紹介の本】 橘玲 著 “上級国民/下級国民” 小学館新書 出版

【教育が格差拡大装置?】

教育格差が招く貧富の差。これも上級国民/下級国民を分かつ因子であると著者は述べております。この章の冒頭では、福沢諭吉の「学問のすすめ」の一説を引用し以下のように記述しました。

 人は生まれながらにして貴賤・貧富の差なし。ただ学問を勤めて物事をよく知る者は貴人となり富人となり、無学なるものは貧人となり下人となるなり。(学問の勧めより引用部) これは一般には、「学問に努めれば成功できる」という意味だと解釈されています。だが逆位言えば、「『貧人』『下人』なのは学ばなかったもの自己責任ということになるでしょう。 教育の本質は「上級/下級 」に社会を分断する「格差拡大装置であることを、福沢諭吉は正しく理解していたのです。(本書 p106より抜粋)

【学歴が幸福度、未婚率すらも支配する】 

 統計的な調査によると、大卒/非大卒が人生の幸福度を分かつ因子となっているようです。幸福度は老若男女問わず大卒>非大卒という現状が明らかとなっており、教育の格差が、そのまま人生の幸福度を左右するとのことでした。しかし、近年、この大卒の中でも特に若い男性の一部に、自分がいつ不安定な経済状況に陥るのかという不安感があるとの調査も出ているようです。この件に関しては、別の書籍「酒井穣 著 自己啓発をやめて哲学をはじめよう フォレスト出版」にて言及されております。近日、本書を書評する予定です。さらに教育格差が収入格差をもたらし、最終的な結婚格差をも招くという統計結果も出ているようです。

【テロリスト?Incel?】

 また、20%の魅力的な男性(収入、容姿などで)が80%の魅力的な女性を独占してしまい、残された80%の男性が残った20%の女性を取り合うという構図が問題となっているそうです。全く女性との接点を持てず、involuntary celibate (不本意の禁欲主義者; Incel)と呼ばれるモテない男性は、抑圧された不満からテロリズムと見紛う大量殺人を起こすこともあるそうです。アメリカの銃乱射事件や日本でも通り魔などの大きな問題にもつながるとのことでした。

【プロレタリアート→プレカリアート?それを受け入れる若者】

 産業革命以降、人類の生活は驚くほど豊かになり、個々人がそれぞれの人生を自由に生きることができるようになりました。しかし、何をしても自由というのは、裏を返せばすべての結果が自己責任で片づけられるため、非常に不安を抱く社会につながる結果にもなりました。今までの社会では、格差は、生まれ持った階級によるものであり、プロレタリアート(労働階級)はその階級格差に対して団結して革命を目指す構図がありました。現在、労働階級で搾取される人々は、生まれ持つ階級ではなく、自己責任の下でその地位にいるとみなされるため、団結することもできず、個々人でこの状況を打破する必要があるため、不安定な労働階級という意味のプレカリアートと呼ばれているそうです。

感想】

 本書によると、貧困層の若者の中で、低収入なのは自分に価値がなく、高給取りはそれだけの価値があるのだと信じ始める者たちが出現し始めているそうです。ロールプレイをしているようだと思いました。まるでスタンフォード大学の監獄実験のように、自ら率先してそのポジションを受け入れるのは悲しいことだと思います。

 今後、さらに豊かになった世界では、高度な技術と知識を使いこなす一部の人と、その知識や技術を正しく説明し、拡散できる人たちが富を支配すると予想されております。読書、ブログ執筆を通して学び、正しく知識を使い、拡散できる人間となれるよう頑張ってまいります。皆さんもそうなれるよう、ブログがお役に立てれば幸いです。一緒に勉強しましょう

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